たいしたことはないと思っていても、実は重大な病気が隠れている事があります。
気になる自覚症状があったら、お気軽にご相談ください。

患者のみなさんより一番相談頂き、また最も多い症状が頭痛です。病歴を聞いただけで診断できる頭痛もあれば、なかなか診断の困難な頭痛もあります。やみくもに鎮痛剤を服用するのではなく、痛みの原因をハッキリさせる事が大事です。なかには『クモ膜下出血』のように生命に関わる重篤な頭痛もあり、安易な鎮痛剤の内服は危険です。

メニエール氏病をはじめとする内耳疾患による事も多いが、生命中枢とも言える脳幹部に血液を供給している椎骨動脈や脳底動脈の循環不足でも同様の症状が起こり得ます。この様な病態を放置した場合、『脳梗塞』等の重篤な疾患を引き起こすこともあり、早期発見・早期治療が大切です。

手足のしびれをきたす原因には様々な部位・疾患が考えられます。
脳を原因とするしびれの他に『首の骨（頚椎）』の変形から来るもの。又『糖尿病』等にともなう末梢神経障害等もあり、各々を鑑別し、適切な治療を行う必要があります。

手足のふるえを来たす代表的な疾患としてパーキンソン病もしくはパーキンソン症候群があります。
適切な薬の内服により、症状及び日常生活の改善が可能になります。

よく見られる物忘れ症に脳血管性痴呆症があります。脳の血流障害（脳梗塞）が原因で起こります。
“最近急に物忘れがひどくなったと家族に言われた”などで来院される事が多いようです。

意識障害がなく、手足の麻痺がないこともあるので高齢の方では「年のせい」として放置される場合があります。しかし詳しく調べてみると小さな脳梗塞が多発しているのが認められる事があります。
予防法としては脳の血流を悪化させる高血圧、糖尿病、高脂血症などにならない生活習慣を心がける事です。治療中であればその治療を疎かにしないことです。喫煙者は禁煙も必須です。

その他にアルツハイマー型認知症も多くみられ、最近では病気の進行を遅らせる薬も開発されています。但しその薬は軽症例（早期）のみに有効であり、進行例では薬の効果も得られません。早期診断・治療が大切です。
又慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症といった適切な手術治療により治癒可能な痴呆もあります。